花個紋のコンセプト
次代へ継承する家紋、
人と人、想いと想いを結ぶ花個紋。
家紋のはじまりは平安後期、
貴族が自分の家のものだという目印に牛車や絹傘につけたものだといわれています。
その後、武士が戦場で敵味方の判別をつけるために、旗や幕に自分のあるいは主家の家の紋を入れるようになりました。
家紋は長い年月をかけて「家のしるし」として確立され、代々続く家の調度品に入れられるものになりました。
結納に用いる、切手盆あるいは広蓋、袱紗、風呂敷。嫁入り道具の、着物や婚礼箪笥、長持。鏡台に掛ける鏡掛や家具を被う湯単。お正月を彩る祝膳や、祭礼に用いる提灯。
モノが無く貴重だった時代、一つ一つ丁寧に誂えられた揃いのモノは、
生涯使い続け、次代へ継承するモノとして大切に使われてきました。
そうして今尚残っている家紋入りの道具達は、その家の象徴であるだけでなく、今と昔を結ぶ象徴でもあり、現代人にモノを大切にするということを伝えてくれているのです。
近年、一昔前の消費一方の風潮は薄れてきました。
古き良き日本の伝統文化は「和」と称して見直され、家の象徴で大事に使い続けるモノだけでなく、風呂敷や手ぬぐいなど身近なものを今風にアレンジし楽しむようになりました。
そんな時代を背景に、花個紋は生まれました。
家紋とは違い、「日」の象徴である花個紋は、誕生日・結婚記念日など大切な日とその日の思い出をより印象づけてくれます。
家族との食事を楽しくしてくれる器やカップ。大切な手紙に使う封蝋。友達とお揃いのハンカチーフ。暮らしに彩りを添えるインテリア。
家宝にするほど畏まったモノではなく、ごく身近なモノに花個紋を入れ、祝福する気持ち、感謝の気持ちを込めて贈ります。
花個紋の入ったモノは、人と人、想いと想いを結ぶ象徴であり、
何気ない日常を素敵に演出するための「和」の新しい形なのです。